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住まいづくりの周辺

高い買い物

最近の事例から

あるハウスメーカーと地下室付の木造2階建住宅を7千万円で契約した人から、第3者工事監理をやってもらえないかと相談された。取り敢えず、図面と見積書を見せて貰ったが、図面の枚数の少ないことに驚いてしまった。平面図と立面図しか図面がないのである。設計事務所でいうところの「基本設計」の図面よりまだ少ない。仕上表には、びっしりいろんな備品やサッシの番号が書きこまれているので、見積は出来るらしい。しかし、7千万円の買い物をするにしては、スタート時の資料が心もとない。モデルハウスを見て誤解していなければと、余計な心配をしてしまう。実施設計は契約後なので、詳細な打合せをしているうちに、こんなはずじゃなかったということにならなければと心配になる。 設計事務所に依頼すれば、ハウスメーカーに払う1/10以下の金額で、実施設計図面まで完成させて、数社から見積を入手して比較検討できるのに.。

なぜ、そのハウスメーカーにする事にしたかを聞くと、ハウスメーカーを比較した本を読んで3社に絞り、あと、提出してきた図面がしっかりしていた(私からみると、単にパソコンを使って書いてあっただけ)とか、引越しやら仮住まいの手配もまとめてやってくれて楽そうだったということだった。ハウスメーカーの営業マンは、その辺りのサービス(無料ではない)は抜かり無くやるので、ここまでやってもらえると楽だな、よし決めたという気になるらしい。設計事務所に頼んだ場合は、設計料は別にかかるし、設計以外のことはやってもらえないし(実際はそうではないのですが)高くつくと考えられがちだが、モデルハウスをあっちこっちに建てて、大々的に宣伝をすればその費用が販売価格の中に当然入ってくるし、設計料は申し訳程度に計上されているが、そのほかに標準設計や商品開発の費用も販売価格の中に含まれている。

設計事務所に頼むと、設計料分だけが余分に高いのでは決してなく、工事期間の追加変更の面倒まで含めて、完成したときの満足度から考えると決して高い買い物ではない。
今回の建て主も、途中で不安になったらしく、工事現場の監理のほかに、追加工事の見積のチェックもやって欲しいとのこと。追加変更工事が多いと一般の建て主にはチェックは難しい。契約前なら、数社から見積を取って比較検討できるが、契約後だとそのあたりのチェックが難しく、施工業者のいいなりになりがちと言われる。

何が高い買い物かということをよく考えて欲しい。桁が違ってくると判断が却って甘くなっていないでしょうか。 大きな買い物をする前の段階、つまり設計の段階で充分検討をすることが、重要なのです。
結局は、価格の透明性が高いほど、納得の行く価格と言えるのではないでしょうか。

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