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住まいづくりの周辺

高層マンションに住みますか?

高層マンションに思う

都内のあちこちに高層ビルがにょきにょきと立ち上がっている。 ここでは、居住空間としての高層マンションに焦点を絞って思うことを述べてみたい。

私もマンションの11階に住んでいたことがあり、最初は眺望に満足していたが、住むうちに外部からの情報の変化の少なさに不満を感じるようになった。窓を開けておく機会が、高層になるほど減る傾向があり、子供の遊び声や屋根や葉っぱを打つ雨音を聞くこともなくなる。
オフィスビルでも、設計の重要項目として、外部と遮断したコントロールされた環境であるがゆえに、リフレッシュ空間をどうするかが最近は問題となっている。ましてや、居住空間においては、四季折々の変化や近隣の生活の雰囲気を感じながら過ごすことは、豊かな生活の必須条件だと思う。

都心の高層マンションに住むのは、立地の利便性や文化的集積を享受でき、都市全体を生活空間と捉えられるフットワークの軽い人には向いているかもしれない。しかし、子供にとっては外に遊びに行く機会が減るし、高齢者も出かける機会が減る。妊婦が流産する割合も低層に居住する人より高い。

人間の生活のスケールはどんどん大きくなっている。建築技術的にはさらに高層階に住むことも可能になるだろう。しかし、自然環境のスケールは、昔からそんなに変わっていない。四季折々の変化や近隣の生活の雰囲気を感じながら過ごすために、樹木の高さを超えないで住むのが、人間にとってはよいのではないかと高層マンションを見上げて素朴に思う。

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